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漢方薬の処方の基本とは?証と合致したものを処方し体質改善を図ります

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漢方薬は症状のみならず、患者の「証」に応じて処方されます

本サイトでは、記事の内容に応じて漢方薬についての説明を行うことが
あります。そのような場合に備えて、本稿では漢方薬の処方の基礎について
確認をしておきたいと思います。


まず押さえておかねばならないことは、西洋医学における薬の処方と異なり、
漢方薬の処方においては症状のみならず患者の「証」もみて、両者を
勘案の上最適な漢方薬を処方するという点です。


ここでいう「証(しょう)」とは東洋医学独特の概念で、私たちが
日常いうところの「体質」とか体の強靭さ・脆弱さを意味するものであると
考えてさしつかえないでしょう。


「証」はさらに「実証」、「虚証」、「中間証」の3つに細分化され、
「実証」は体力が充実している人を、「虚証」は体力が衰弱している人を、
そして「中間証」は実証とも虚証とも判断のつかない人をそれぞれ指します。


このように西洋医学における薬の処方のされ方と漢方薬の処方のされ方とでは、
患者の「証」を診るか否かで大きく異なります。


仮にここに実証の人と虚証の人がいて同様の症状を示している場合、
西洋的医療においては同様の薬が処方されますが、漢方薬の処方の場合は
全く異なった漢方薬が処方されることとなるわけです。


漢方薬がこのように処方されるのは、飽くまで患者の体質改善を図りつつ
症状を治めようとする思想が根本にあるからです。そして症状と証の診断、
並びに処方される漢方薬が完全に合致した場合、漢方薬は多くの場合
症状の回復に劇的な効果をもたらすのです。



証の細分化には「陽」と「陰」も絡み、合計6パターンにも
及びます

さて証の細分化はさらに進み、実証、虚証、中間証はそれぞれ「陽」と
「陰」とに分かれることとなります。「陽」は活発、明るい、温かいを、
他方「陰」は不活発、暗い、寒いを含意するもので、実証、虚証、中間証の
それぞれに対しさらに微妙なニュアンスを付け加える役割をもちます。


これで実証、虚証、中間証の3つにそれぞれ陰と陽とが存在することと
なりますから、合計で3×2=6通りの分類がなされることとなるわけです。


体力や体の強靭さの度合いに応じて6種の証を不等号関係で示すならば、
次のようになることは容易にご想像頂けることと思います。


陽実証>陰実証>陽中間証>陰中間証>陽虚証>陰虚証


漢方薬はこの6つの証の分類に応じて用意されており、専門医の
技量の1つは問診を通じて患者の証をこの6つのうちのいずれに
入るかを正確に診断することにあるといってよいでしょう。


しかし長年経験をつんだ漢方の専門医でもこの診断作業は実に難しく、
長時間を要するのが通例です。例えば陽虚証と陰虚証のいずれかを
正確に判断することは、実に困難であるといわれます。


さらに輪をかけて診断を困難にしているのが、同一人物の証が一生を
通じて変動し得る場合があるということです。例えば生来、陽実証といって
よいほどの快活な人が日常生活で不摂生を重ねることで陽虚証、陰虚証と
徐々に証を落としていってしまうことも決して珍しくありません。


患者の側も以上のような事情を事前に踏まえ、より正確な診断、処方を
得るべく専門医に協力的に応じていく姿勢が求められるように思われます。

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