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冷えは便秘や下痢を生み出す|お腹の低体温が招く腸と自律神経の異常反応

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便秘と下痢、いずれもお腹の冷えが原因だった

お通じにまつわる不快感や苦痛は、便秘によるものと下痢によるものに
大別できるでしょう。


便秘時にはどうしてもお腹の拡張感を覚えますし、排便時には
相当いきまねばなりません。いきみ過ぎの結果、痔を患ってしまう方も
おられます。


他方下痢の時には腸内の水分吸収がままならないため、便秘時とは対照的に
排泄が急き立てられることとなります。あの内臓がえぐられるような激痛は、
そのために生じる現象です。


意外に思われる方も多くおられることでしょうが、いかにも対照的な
腸に関わるこの2つの病理現象が、共に「冷え」という同じ病根を
もっていることが実に多いのです。


これまで論じてまいりましたように、冷えは「お血」と呼ばれる
血流の悪化を体の各所に生み出し、お腹に生じたお血は胃腸の働きを
鈍化させるよう作用します。これが便を送り出す際に要する腸の収縮運動を
不活発なものとするため、便秘が生じがちとなるのです。


腸の収縮運動が不活発な方の便は、典型的にウサギの糞のような
コロコロとした状態となっているはずです。ご自分の便がこのような
状態である方は、お腹が冷えている可能性がきわめて高いといえるでしょう。


冷えが腸にもたらす悪影響は以上に留まりません。自律神経系が
腸に冷えを覚えますと、腸の自己保存を優先させるよう信号を発するため、
その結果腸が本来もつ栄養・水分の吸収と排便の機能が疎かに
なってしまいます。


これが下痢や便秘をもたらす今一つの要因となっているのです。

 

下痢と便秘を分け隔てる自律神経系。東洋医学では「証」を重視

では腸の機能低下により、下痢と便秘のいずれがもたらされると
いうのでしょうか。


これにつきましては、自律神経系の腸の内容物に対する感知の
仕方次第であるとしか説明のしようがありません。


自律神経系が腸の内容物を害であると感知したり、あるいは腸内の水分が
低体温をもたらしていると感知する場合は、下痢を作り出して排出しようと
するでしょう。


他方いずれでもない場合は腸の内容物を溜め込み続け、結果、便秘が
作り出される結果となるでしょう。


東洋医学や漢方の分野では、証が「虚証」(特に「陰虚」)の方は
下痢を患いがちであると診断します。


こちら、またこちらでご指摘しましたが、陰虚の方は体質が虚弱で
痩せ型の人が多く、実際下痢を患われる方の多くがこのような
体質・体型の持ち主である場合が圧倒的に多いようです。


便秘気味の方、下痢気味の方、また両者を繰り返す方は、今一度
お腹の冷えに思いを致されるとよいでしょう。


事実、漢方医、西洋医を問わず、便秘や下痢は、冷え性を判断する際の
1つの大きな目安となっているのです。

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健康な人こそ未病に注意|実証の人が虚証の人よりも冷えに留意すべき理由

実証と虚証の諸特徴を比較してみますと、虚証の方の方が実証の方よりも圧倒的に冷え性にかかりやすいように思えてしまいます。しかし実証の方は虚証の方とは異なった理由で冷え性にかかりやすいので、やはり対策を打つ必要があります。虚証の方は冷えや疲労に敏感であるが故に、冷えや疲労を覚えるとすぐに上着を羽織ったり適度な休息を摂ろうとします。それに対し実証の方は体質が頑健なだけに、少々の冷えを軽視しがちです。また食べすぎ、飲み過ぎ、働きすぎといった具合に、何事においてもやり過ぎの傾向があります。このような日常の送り方が実証の人を「未病」、すなわち病気が顕在化する直前の状態にまで誘うのです。実証の方が案外容易に大病を患ったり深刻な冷え性にかかるのは、このような理由によります。ですから実証の方も何事においても中庸を守り、健康的な日常を意識的に送ることが大切となってきます。既に冷え性、その他の病気を得られた方は、病気にかかる前には実証であっても病後は虚証に転じてしまっている場合があるので、漢方医の診断を仰ぎ、適当な漢方薬を処方してもらう必要があります。

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